元来長毛の犬種では冬の寒さによく耐え、昔は犬たちは外で飼われていたものです。
しかし現在では多くの犬たちは室内で飼育され、暖房の効いた部屋で過ごすことが当たり前になってきています。
シーズーは北方内陸地(中国奥地)原産ですし、スピッツ・パピヨンは北方系として寒さに強いはずなのですが、
愛玩犬として室内飼育が長かったせいかとても寒がりです。また短毛の品種(ドーベルマン・ミニチュアピンシェル・ボクサーなど)やメキシコ原産といわれているチワワなども大変寒がりです。
冬の日に飼い主さんが暖房をせずに出掛けられて、帰宅したら犬が震えていたというお話もよくあります。
寒い朝には体温調節の困難な子犬や老齢犬、栄養状態の悪い犬などは凍えてしまうことがあります。
また野外飼育犬でも短毛のポインター、ビーグル犬なども同様です。
もし犬を野外飼育する場合は、犬種が野外飼育に適しているかどうか良く判断して、秋口から徐々に外の寒さに慣らしてやると良いでしょう。
特に明け方の冷え込みが激しい時期(12月末から2月初めまで)は、屋内に入れてやったり、敷物を敷いたり、小屋全体を毛布で覆うなど、保温に心がけてください。
特に冬の寒い時期に多い病気としては
1. 心臓疾患…老齢犬に多く、夜や明け方に咳をする・軽い運動にも耐えられない・興奮した時に失神する・興奮や運動で呼吸困難が起こるなどが症状として見られます。
2. 椎間板ヘルニア…M.ダックス、チワワ、シーズー、ビーグル、などの犬種で急に後肢が動かなくなることがあります。
また首や背中の痛みや腰のふらつきなどが見られます。
3. 関節疾患…老齢犬や年を取った犬で徐々に運動能力が低下することがあります。
特にヨーキー、コーギー、レトリバー、柴犬などの品種では膝の靭帯が切れることがあります。
また老齢の大型犬種では股関節や膝関節の変性性関節症が悪化したりします。
4. 呼吸器感染症…老齢の犬では歯石や歯周炎のある場合、気管、気管支炎や肺炎が起こりやすくなります。
5. 寒冷反応型の膠原病(免疫介在性疾患やリューマチ)により皮膚炎や溶血性貧血、血小板減少症(出血)が起こることがあります。
6.急性の犬フィラリア症…犬フィラリア症に感染した犬では、寒い朝などに急に血尿や喀血が起こることがあります。
猫編は次の項で…