3月号
あけましておめでとうございます

「先生〜!寝ていた絨毯の上にこんな虫が居ました。」と、先日ある飼い主さんがビニール袋に「虫」を入れてお持ちになりました。「どれどれ、」と見ましたら何処から来たのか「ミミズ」の幼虫でした。まずは、ひと安心。これなら病気の原因にはなりませんから・・・。聞けば庭土を良く掘るワンくんだそうです。

春になって冬の間土の下に閉じこもっていた虫達が地上へ這い出してくる季節です。そこで今回はいろんな「虫たち」について考えてみましょう。「虫」と聞いただけで逃げ出したくなる人は今回の話はパスして下さっても宜しいですよ。

「虫」とは言いましても、小さなものはお腹の中の消化管内寄生虫(1)線虫類・(2)条虫類(サナダムシ)から、皮膚内に棲む (3)毛胞虫(アカラス)・(4)疥癬(カイセン)とか、少し大きなものでは外部寄生虫(5)ノミ・(6)ダニ類(マダニ)まで各種あります。考え方によれば(7)蜂や毒蛾もあります。

どの虫も動物には居て欲しく無いものばかりです。こうした寄生虫は体の内外で健康にどう影響するのでしょうか?どう侵入していくのか、どうやって駆除したら良いかを私たちは知っておく必要があります。

まず(1)線虫類・(2)条虫類は「消化管内寄生虫」と呼ばれます。回虫やサナダ虫がこれです。これらは胃や小腸大腸に住んでいて、胃腸障害が出ます。回虫は胎児期や母乳から、条虫は蛙やトカゲ、またノミが仲立ちをします。治療は内服による駆虫剤投与です。嘔吐や下痢がひどい場合は先ず制吐剤や止瀉剤・栄養補給が必要です。

つぎに(3)毛胞虫(アカラス)・(4)疥癬(カイセン)は皮膚内に寄生する微小なダニの一種で、皮膚病の原因生物です。「痒み」も激しく皮膚炎がひどく起こります。動物での症状は発赤やカサブタができるなどとても類似します。疥癬は同居する動物や「人」にも被害が出ますが、毛胞虫(アカラス)は動物や人には伝染しません。治療は薬用シャンプーと殺ダニ効果のある特殊な薬剤の注射や内服が有ります。1ヶ月以上治療が必要な患者さんが多くいます。

(5)ノミ・(6)ダニ類(マダニ)は外部寄生虫と呼ばれて、刺蛮(刺す事)による唾液およびノミダニのたんぱく質が抗原となり皮膚アレルギー(ノミアレルギー)が起こります。但しダニの頭部は皮膚に食い込んでいますから、つまみ取ったりしてはなりません。ダニの頭部が残り皮膚炎が悪化します。皮膚炎治療と併せて効果的なノミ・ダニ駆除予防の薬を使用します。

(7)蜂や毒蛾については長くなるので割愛しますが、被害の発生する夏の季節になりましたらまたお話し致しましょう。このように寄生虫や虫にも色んなものが有る事がお分りになられたと思います。

もし飼っている動物に何か「虫」を見つけたら、皮膚に固着した物はそのままに、あるいは落ちていた物は袋に入れる等してお持ちください。もちろん動物も一緒にお連れ下さった方が宜しいです。

当院では寄生虫の病原性や人への影響も含めて良くお調べして、適切な対処を致します。さて、次回は春のワクチンやフィラリア予防についてご説明致しましょう。

では次回を楽しみに。どうか動物たちがいつも健やかでありますように・・・。

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